何だか思ったこと

 

昔は活字を読むことが苦手だった

幼少期はもっぱら絵本の絵の方を見て勝手に想像を膨らませていたし

何なら絵本より塗り絵派

 

そんな私も歳を重ねて活字を読むようになった

 

きっかけは曖昧だけど

記憶しているものとしては

仕事もプライベートも絶望の淵にあった20代後半頃に当時から写真を撮る事で気持ちの整理をしていた中、

撮っても撮っても気持ちが消化できない時に、たまたま近くでやっていた写真展

 

県立美術館でやっていた

ハービー山口さんの写真展へ行った

 

有給を何の理由もなく取った日だった

 

大きく引き伸ばされたモノクロの写真達は

圧巻で言葉が出なかった

これがまさにエモーショナル

心が動いたのをハッキリと覚えてる

 

写真展を見終わり、外の公園のベンチで余韻にふけっていたら職場から電話があり一気に現実に戻った。

その時に仕事を辞めようと静かに決めた。

 

心があんなに動いたのは初めてで

帰り道にハービー山口さんの本

「雲の上はいつも青空」を買って帰ってすぐに読んだ。

 

写真を見た印象と文章を読んだ印象が

いい意味で違った。

本を読んだ後、写真を改めて眺めてみると

また違った印象になって

それが嬉しくて楽しかった。

 

そこから好きな写真家さんのエッセイを読み始めたり、小説を読み始めたり、歴史書に参考書、教材などなど、自分の興味のある本があると買って読んでみた。

誰かの頭の中や選ぶ言葉、文章の流れ

いろんな表現があるんだと楽しかった。

 

「写真を撮るのが上手い人は文章を書くのも上手い。」

昔、よく一緒に写真を撮っていた人が言ってた。

 

目の前に映る光景を切り取り残す作業

無数にある言葉を選び紡ぐ作業

 

どこかお隣さんのような関係なのかもしれない

 

自分が選んで使っている言葉は

どんなに考えても伝わらない時があるし

今の時代は言わないほうがいいことばかり

 

逆に写真は受け取り手に余白の部分を自由に読み取ってもらえる部分があったりする

 

やっぱり近いようで遠いお隣さんのような感じ

 

言葉たらずで語彙力が貧しい私には

写真がやっぱり向いているのかもしれない

 

最近、積読になっていた本を再読した時にあったキャプション

「挫折だと思ったら、左折だった」

燃え殻 “それでも日々はつづくから”より

 

文字より絵も

20代後半の絶望も

写真展の後の職場からの連絡も

過去にあったちょっとした私の寄り道は

今からすると伏線回収であって

今、頭にある悩みも苦しみも選択と決断も

数年したらただの左折に過ぎないのかも

 

左折を繰り返して1周回った時に

また違う景色が見れることを願って

 

日々、粛々と

今の写真を撮り溜めていこうと思うのでした。

 

本を読んだら文章を書きたくなった

とある日の雑談でした。

 

「いつか忘れる日常を

今日も僕らは

生きている。」

燃え殻 それでも日々はつづくから

 

素敵な写真と言葉と文章でそっと寄り添って

どこかの誰かが救われますよう

 

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